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機嫌のいい日

今朝、目が覚めたら犬と『北』の字作ってました。
こんにちは。
リズミィに全員シンクロモードが追加されて、嬉しいかぎりです。
昨日は神様が降りてきたらしく、bpm150で初フィニッシュできてしまって、んもう思い残すことはないって感じです。
イベントやっているので、久しぶりにパンヤ(オンラインのゴルフゲームです)の大会モードをやったら、30人中22位と成績はたいしたことないんですけど、ベストリカバリー賞がもらえて、機嫌よく寝られました。
しかしどの辺がベストなリカバリーだったんだろう。覚えてないけど。
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結局昨日は仕事が午前中で終わったので、久しぶりに獲物ゲット。
可愛いだけじゃなくてがま口にもなる、機能的なやつです。
高木プーと書いてありました。可愛い。
青い方はうちの母に、母の日のプレゼントするというので、今日買い物ついでに渡しました。
母大喜びです。良かった良かった。


さて明日は新婚家庭を急襲にいって来るぞ~~。
うひひひ。
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by new-chao | 2005-04-30 12:55 | チャオさんの独り言

タイトル思いつかない

明日からいよいよゴールデンウィークですね。
旦那は明日も仕事で、ついでに休みの日は日・祝だけなんで、我が家的にはまだGWにならないんですが。


あのね。
本当は書きたいことがあったんですけど。
それは書くべきではないと言われてしまって。
したらこの先をどう書いたらいいのか、考えること5分。


書けねーな。


結論だけ言っちゃおうかな。


あたしは悲しい。
何故なのかと。何故いつもそうなのかと、天に問いたい。
しかし毎度のことなのだから、いい加減慣れろと天に言われるかも。
慣れないねー。


ところで明日の仕事ですが、いつ始まっていつ終わるのか、未だに(今午後10時25分です)未定なんですって。
いつまで待たせるつもりなのか知りませんが。
他人の時間なら湯水のごとく使ってもいいと思ってる人が、世の中多すぎです。
待たされるのって、不愉快。バカにされてる気がしませんか? 
どうでもいいと思われてる気がして、非常に腹が立ちます。
パッチもちっとも終わらんな~。
今夜は諦めて寝ちゃおうかな。
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by new-chao | 2005-04-28 22:22 | チャオさんの独り言

ってことで新ゲーム体験

やっぱり女は女同士よね!


ってことで、DJMAXですが。
クローズドβテスターに当選したので、やってみました。
マビノギ課金始まっちゃって、やることないしね。(家事をやれ、家事を)
O2Jamより入力するキーの数が少ないので、簡単だと言われたんですが、難しいです。なにしろ叩くキーがSDZXCって、えらいひっつきすぎじゃありません? 片手でやるもんなのかな。
したら旦那が、これを使ってみるべ、と持ってきたのがビートマニアのコントローラー。
なんであんた、こんなものまで持ってんの。いいけどさ。
そっちは専用に作ってある形なんで、叩きやすいのはいいんだけど、カチャカチャうるさいんですよね。しかし一通り一人で練習した後、対戦ルームに。
みなさん、うますぎる。
あなたたちの脳と指の神経は、どういう風に連動してるんだ!! 全然、落ちてくるコマンドの位置が判別できないんですけど、それはあたしの脳のほうがおかしいのかしら・・・。


子供の頃、大人になったら遊ばないんだと思ってました。
でも大人になった今、判りました。遊ばないのではなく、遊べないのだと。
んもう付いていけないのお。
スマップやTOKIOはさすがに見分けつくけど、関ジャニ∞なんて誰一人として顔判らんしなー。
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by new-chao | 2005-04-27 11:00 | チャオさんの独り言

なんだか呑気な感じ

あー、また寝てしまった・・・。しかも昨夜は8時から
おはようございます。
いやいや、8時からグースカ寝てた訳じゃないんですよ。昨日はチビが8時ごろ眠たそうな様子だったんで、寝かしつけに寝室に全員で移動したんです。(家族全員が寝たフリをしないと、チビは寝ません)んで家中真っ暗にして、寝るの待ってんですけど、1時間ぐらいは暗い寝室で暴れまわってたと思うな、チビは。
甘えてんだかなんだか、人の上に転がってくるわ、人の顔でもお腹でも犬でもお構いなしに踵落としするわで、毎晩大暴れなんですが、どこのお宅でもそうなんですかね。
んで、気が付いたらチビは寝てて、あたしも布団から半分はみ出ながら寝てて、起きた旦那に、寝るならちゃんと布団着ろ、と言われてごそごそ寝なおし・・・次に目が覚めたのが朝の3時。
あー、また一晩寝ちゃったよ・・・まあいいや、寝よ。


昨日は朝、テレビの星占いで『さそり座のあなたは運命の人に出会うかも! 意外と身近なところに!』などと言われ、『俺だ俺』と近寄ってくる旦那を、あっち行け、あんたが側にいたら運命の人が逃げる~などと押し合いへしあい、朝からばかやってたんですが。
したら突然旦那が、判った!! って言うんですね。
『今日、買い物に行ったらきっと、ぱりんこが安いんだ!!』
んで買い物に行ったんですよ。
そしたらなんと、ぱりんこが二袋で300円。
(@ ̄□ ̄@;)!! 旦那の言うとおりじゃん。
ああ、やっぱりあたしの運命の相手は、あなたなのね、ぱりんこよ~~~。
という訳で、今うちにはぱりんこが2袋半ある。
うひひひひひ~。

JRの脱線事故のような大変なことがある傍ら、うちは呑気だな、なんか。
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by new-chao | 2005-04-26 09:31 | チャオさんの独り言

や、やっと髪切った~

行ってきました、念願の美容院!
いや、美容院ぐらい念願とか言わずに行けって。はい。
さんざん、何処に行こうか悩んだ挙句、うちの母行きつけのところに紹介カードでカット20%オフって言われて行ってきました。(そして行ったとたんに「娘さんですよね」っとバレタ。何故だ)
もっと短くしたかったんですが、できあがったら意外と長いなー。
でもばっさり25センチは切ったんじゃないかと思うんですが。
どんな風か見せましょうか?
あ、別にどうでもいい。はい、失礼しました~。
旦那いわく、「チャオは可愛いか美人かっていったら美人系だと思うけど、その髪型はかわいい」だそうです。今更嫁にゴマすってどうしようってんでしょうか。でも嬉しい。
犬は帰ったらめちゃめちゃ吠えて、ちょっと遠くから鼻伸ばして匂い嗅いでました。
息子は特に興味ないそうです。

あー。なんか小腹が空いたな。
彼に会いにいこーっと。いひひひ。
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by new-chao | 2005-04-24 21:20 | チャオさんの独り言

もしも今

久しぶりに『黄金のドア』の続きをアップ。
編集がてら読み返してると、けっこうこの話乱暴(内容じゃなくて、構成とか展開とかが)な気がしますな。ま、あたしも若かったということで。


もしも今、プロポーズされたら即OKしちゃいそうな相手がいるんですよ。
彼の名は・・・『新ぱりんこ』
長崎県崎戸島産の自然塩を使った、あっさり味のおせんべい。
先週、近くのスーパーで2枚×21袋入って98円(税込み)だったのね。んでまだ彼のことなど何も知らず、思いつきで買ったのです。
一口食べて、もうあたしは彼にメロメロ・・・。
他の人(ごはん)なんてなくてもいいわ! あなたさえいてくれれば、あたしそれで構わない!!
えーい、旦那もチビも食べるなよ、ぱりんこはあたしのもんだい!!
ほっとくといっぺんに10枚ぐらい食べちゃいそうなんで、ぐっと堪えつつ食べましたが、なくなったので追加に行ったら、同じ物が今度は158円
一気に60円も値上がりかい。
でも彼への愛には勝てず、買ってしまいました・・・。
今も食べてます。ぱりぱり。あー、おいしい。


しかしここ数日、独り言にゲームの話題がないと思いません?
なんと、まったく!! やってないんですね~。
いや別に、どなたかに「チャオってゲーマーだよな~(ちょっと軽蔑のニュアンス)」って言われたことを気にしてたわけじゃないですよ。単に夜、チビ寝かすついでに寝ちゃって、遊ぶ時間がなかっただけなんですけど。
しかし、ゲームを全くしないゲーマー! いいじゃん!!
なんかクール!!
すいません、寝すぎて意味不明。
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by new-chao | 2005-04-23 15:41 | チャオさんの独り言

黄金のドア

「今の、聞きました?」
 慌てて祥一郎は馬の後を追って街道を走りだしたが、追いつける筈もない。舞が彼を追わなかったので、祥一郎は五十メートルで追跡を諦めた。
 道は張り出した枝に視界を塞がれ、先の方は見えない。森はまだしばらく続いているようだ。
「今のって?」
 祥一郎はシャツの袖で額を拭って訊き返した。汗をかくほどの距離を走ったとは思えないので、冷や汗かもしれない。
 彼の後について、少しだけ道の真ん中まで出ていた舞は、背伸びして森の外を見ようとしてみた。何も見えない。
 アクセルと名乗った美青年の一行は、現れた時同様、消え方も唐突で、今はもう気配のけの字も感じられない。だから馬の嘶きではない。
「何か聞こえたんです、鳥の鳴き声みたいな、でも違うのが」
「どんな?」
「どんなって言われると困るけど……ガオー、じゃないし、ギョエーッとか……キオォーン、かなあ」
 舞の言うことに、祥一郎は彼女の側に戻って来ながら呆れたように笑った。
「ゴジラじゃないか、それじゃ」
「ゴジラ」
 そう言われると、怪獣っぽい声だったような気もする。
「俺は聞こえなかったけど」
「そうですか? じゃ、空耳かな」
 先刻のコンドルがまだ近くにいるのかもしれない。舞はコンドルの声を聞いたことはないが。
「あの、祥一郎さんって、芳真君と前から知り合いなんですか?」
「いや、今日初めて会ったけど」
 走ったのが疲れたのか、祥一郎は道の真ん中にドカッと胡座をかいた。
「なんで?」
 見下ろしているのも変なので、舞も少し離れた森の端の草に座る。警戒しながら犬が近寄ってくるので、舞はわざと無視して祥一郎を見た。
「先刻、芳真君は違うってきっぱり言ってたから。あたしあの人のこと知らないから、ひょっとしてそういうこともあるかもって思っちゃったんですけど」
「ああ」
 祥一郎は少し笑って、すぐ真面目な顔になった。
 笑うと尖った目つきが丸くなって、怖くない。
「あの傷は最近できたものじゃないだろう。それにあいつ、他にもたくさん怪我の痕あったの、見た? 暴走族同士の喧嘩でできたのかもしれないけど、俺は」
 けど俺は?
 祥一郎はまだ話すつもりだったようだが、不意に黙った。素早い動作で立ち上がりかける。彼の顔つきに舞も緊張する。
「何ですか?」
「俺も聞こえたぞ、今」
「え?」
「ゴジラの声」
 舞は空を見上げる。鳥の姿はない。
 ゴジラって言うより、白馬のハンサムな騎士がいるんだもん、ドラゴンの方が雰囲気合ってるわよね。
 ふと舞はそう思いつつ耳を澄ましたが、彼女には何も聞こえなかった。しばらく待って、祥一郎も聞こえないらしく、低い姿勢で舞の隣に来て座りなおす。
「おまえの空耳が伝染ったかな」
「かもですね」
 犬は舞の伸ばした足元、街道の砂の上に座っている。舞がそーっと手を伸ばして背中に触ると、感電したみたいにビリッと身を震わせて振り返った。舞を見て、あ、なんだ、と安心してまた向こうを向いた。
 変な犬。可愛い顔してるけど。やっぱり野良犬かな。
「俺はあっちのが疑問だな」
「あっちって?」
「あいつ、なんですぐ水都が女だって判ったんだ?」
 ……なんでだろ。
 言われて思い出した。あのハンサム、『ご婦人方』って言ったわよ。水都さんのこと、ちらって見ただけで。
 それに水都さんのこと、しょ、しょ……だろうなんて。
 あの時は目の前のことに気を取られて聞き流したが、思い出したら舞は何だかドキドキしてしまった。怒ったのとも少し違う。
「……あの人、水都さん連れてって、どーすんのかしら」
「さあ……親に紹介するんじゃないか?」
「え?」
「え?」
 二人が顔を見合わせた時、突然、犬が跳ねるようにして立ち上がった。理由はすぐ判った。揺れたのだ。地面が。
 そして。
「舞」
 立て膝をついて、祥一郎が舞の手首を掴んだ。
「逃げよう」
「しょ、祥──どこへ」
「どこへでも」
 揺れたのは地震か何かなんかじゃない。聞こえたのだ。
 はっきりと、すぐ側にいるとしか思えないくらい大きな、異様な、子供の頃に見たテレビのヒーロー物の敵怪獣に似た、心臓掴んで揺さぶられたみたいに恐ろしい──ドラゴンの、声。
「こっ、ここは何なのお?」
「そんなこと俺が知るかっ」
 揺れたのはドラゴンが近づいてくるからだ。地響きを立てて。
 これからどうするか、相談する暇もないじゃないのよお。
 祥一郎は舞を引きずって行きかけながら、はっとして犬を振り返った。
「おまえも行くぞ、かしげ!」
 犬はぴっと耳をアンテナのように立てて、先に立って走りだす。舞も木の根に引っ掛からないように駆けだした。
「どーしてそういう変な名前付けんのっ」
「あの犬の本名知ってるのか?」
「知りませんけど」
「じゃあ、かしげかもしれないだろ」
 かしげに先導されて、森の中をジグザグに走る。下草に足を取られて転びそうになったのを、祥一郎が例の馬鹿力で手を引っ張って、転ぶ前に体を持ち上げてくれた。転ばずに済んだが、肘の辺りの筋がピキッと鳴って痛かった。
 ひょっとしたら。
 ううん、やっぱり。
 走りながら、舞は首を傾げる。何故かしょっちゅう首を傾げている野良犬、かしげの癖が伝染ったのだろうか。
 やっぱり、何か……夢じゃないような気がしてきたわ。
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by new-chao | 2005-04-23 15:27 | 小説-黄金のドア(2)

黄金のドア

  3.  願いごとをどうぞ


 どのぐらい森の中を疾走しただろう。
 息が切れて、足が前に出なくなって、舞はとうとう根っこに足を引っかけて転んだ。別の木にぶつからなかったのは、そこが広場のようになっていたからだ。
「おい、大丈夫か?」
「……大丈夫です」
 手を着いて起き上がると、舞はそのまま草の上に座った。今度は肘を擦りむいてしまい、じーんと痛んでいる。
 ドラゴンの声は聞こえない。
 タッタッタッタ、と広場の中央まで行っていた犬が振り返り、舞が転んだのに気がついて戻ってきた。どうやらすっかり、二人と一緒にいることに決めたらしい。
 首を傾げて、舞を見上げる。
「大丈夫」
 犬に向かって返事をして、舞は座ったまま辺りを見回した。
 ぐるっと木々に囲まれてはいるが、ここだけぽっかりと木の生えていない、公園みたいな感じのところだ。
 おじいちゃん家、じゃなくて、うちの十畳の和室よりちょっと広いかな。草以外に何もないから広く見えるだけかしら。和室は四角だけど、ここ丸いし。
 深呼吸したら、胸一杯にいい匂いが広がった。走っている間は気づかなかったが、どこかにキンモクセイがあるらしい。
 広場と同じ形に丸く切り取られた青空には雲一つなく、草の中はところどころ花が咲いていて、寒くもなく暑くもなく、ピクニックか何かしたら気持ち良さそうだ。
 あー、いい匂い。昔、うちにもあったよなあ、キンモクセイ。
 いやいや、そんなことを呑気に考えている場合ではなかった。
「あーあ、やれやれ」
 祥一郎はそう呟いて、草の上に大の字に寝ころがった。犬も二人の間に足を投げ出して、寛いだポーズになる。
「ちょっと休憩しようぜ、俺も疲れた」
「はい」
 舞もスカートの裾を直して、足を伸ばした。チクチク、草に足が触る感じがくすぐったい。
 ドラゴンもサバンナの大群の時と同じで、どこかへ猪突猛進して行ったのだろうか。
 逃げ回っている間、確かに一時、ものすごく接近したように感じられたが、森の中にまでは踏み込んで来なかったようだった。入ってこられたらすぐ追いつかれて、一巻の終わりだったろう。
 逃げるのに必死だったので、気配があっただけで振り向いて見はしなかった。だから本当に、二人を追うのがドラゴンだったかどうかは判らない。
 一体、何がどうなっちゃったんだろう。
 あたし、どうしてこんなとこにいるんだろう。ここへ来る前、何してたんだっけ。
 舞は何となくその辺りに目をやって、祥一郎の耳の側に咲いているのがタンポポであることに気がついた。
 タンポポ。
 ん? なんでタンポポなんだ? あれ、春の花の代表よね。キンモクセイの匂いしてるけど、キンモクセイって秋じゃない?
 小さな黄色い花を見つめていたら、祥一郎がふと、こっちを見た。ドキ、として舞は目を逸らした。
 やだ。
 じっと見てたんだと思われちゃったかしら。 
 動揺を悟られないように、舞はスカートに付いた土を熱心に払っている振りをする。ついでに肘の擦り傷の具合を見ようと、そーっとシャツの袖を捲った。
 今年の夏は受験の夏で、外に遊びにいかなかったので焼けていない、白い腕。祥一郎が掴んでいた手首だけ赤くなっているように見えるのは、気のせいか。
 舞はチラッと祥一郎の横顔を見た。
 ……男の人って、みんなあんなに力持ちなのかなぁ。それとも祥一郎さんが特別馬鹿力なの?
 舞より二十センチは背が高く、二十キロは重いだろう彼の逆三角の体格は、がっしりして、いかにもスポーツマンで、水泳か何かやっていそうだ。
 ラグビーとか、バスケとか。柔道はちょっと、イメージが違うけど。
 頬の下から顎にかけて、うっすらと生えているヒゲ。寝ているところを見ると、すっとした鼻の高さがいっそう際立ってみえる。
 また彼がこっちを見そうになって、舞は犬に目をやった。犬も視線を感じたのか、くるっと振り返る。
 犬のヒゲは人間と違って、一本ずつびょーんって長いし、メスにもあるわよね。そう言えばこの子、オスかメスかどっちだろう。……この犬は最初からここにいたのかな。
 舞は座ったまま少し犬に近づいて、思い出した。何だかバタバタして、逃げ回ったり転んだりして忘れていたが、ここへ来るまで自分は、家で寝ていたのだ。
 そうよ。寝てたのよね。何か変な夢を見て、気がついたら道の真ん中で。
 変な夢。どんな夢?
 ……何か、ヒントを。
『ここから戻るためのヒント』とか言ってたような。えーと。
 えーと。
「……忘れちゃ、った」
 どうしよう。
 すっかり忘れてる。
「あ? 何が?」
「え?」
 あたし、今口に出して言った?
「何を忘れたって?」
 どうやら驚きのあまり口に出して言ったらしい。寝ていた祥一郎が起き上がって、心配そうに自分を見ている。
「あ、あの、あたしここへ来る前は、うちで寝てた筈なんです。どうしてここにいるのかなって、考えてて」
「ああ」
 祥一郎は手で髪を払って、頷いてみせた。
「俺もだよ。机に向かって考え事しながら、ちょっと寝たかも。ハッ、て気がついたら、道の真ん中に座り込んでて」
「あの、その時」
 舞はつい勢い込んで訊いた。
「戻るためのヒントって聞きませんでした?」
「は? ヒント?」
「何か……雨がどうとか」
「雨?」
 彼が律儀に一語一語訊き返すので、舞は恥ずかしくなってしまった。
「さあ、俺は聞いてないなあ。水都が、もう一人、とかブツブツ言って、四人になるらしいのは聞いたけど……ヒントなんてあるのか。それで、どうするんだ?」
「それが」
 舞はますます恥ずかしくて、俯く。
「思い出せなくて」
「あらら」
「すいません」
 祥一郎とかしげが顔を見合わせた。舞はもっともっと強くうなだれる。
 ひょっとして、あたしが四番目にここに来たのって、そのヒントを教えるためだったのかも。それなのに、すっかり忘れてるあたし、何しに来たんだろう。
 あたし、どこにいても役立たずだ。
「ごめんなさい、本当に、あたし」
「ま、しょうがないよな。忘れちゃうってことは、そんなに大事な内容じゃないってことかもしれないし」
 祥一郎があっさりとそう言った。優しいのか、楽天家なのか、それとも……もう戻ることを諦めているのか、判断しにくい口調で。
 慰めてくれてるのよね、きっと。
「それに最初から、ヒントなんてなかったと思えばいいじゃないか」
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by new-chao | 2005-04-23 15:25 | 小説-黄金のドア(2)

黄金のドア

 なあ、かしげ、と祥一郎は犬に同意を求め、犬の頭を触ろうとした。犬は機敏に跳ね起き、舞の側まで避ける。
 あからさまな嫌がり方に、今度は人間二人が顔を見合わせた。
「嫌われてるな、俺」
「変な名前付けるからですよ」
「そうか?」
 祥一郎がもう一度身を乗り出して手を伸ばすと、かしげはまたサッと身をかわした。
「何だよ。首傾げてばっかりいるくせに」
 祥一郎は大人げなくジロリと犬を睨んだが、犬はそんなのどこ吹く風という感じだ。
 舞が笑ったからか、祥一郎も笑った。
「俺、思うんだけど」
 温い風が吹いて、舞のスカートをめくりかけた。慌てて押さえる彼女を横目で見て、祥一郎がニヤリとする。
「俺たちみんな、夢を見てるようなものなんじないかな。科学的に説明なんてできないけど、ほら、俺たちの体内時計なら朝なのに腹も減ってないし、トイレに行きたくもならないだろう」
 そう言われればそうだ。
「でもそう思うと疑問が一つ」
 祥一郎は舞に自分の手をひらひらさせて見せると、パシンと自分の頬を叩いた。
「痛い」
「そりゃ、叩けば痛いですよ」
「普通はね。それに世の中には、痛いのや匂いや味付きの夢もあるかもしれないし」
 あ。あたしと同じこと考えてる。
 舞はちょっと嬉しくなって、もう少し彼の側に行こうと立ち上がりかけた。
「でも叩いたら痛いってことは、だ。もし俺たちがゴジラに踏まれたりしたら、寝てる本体はどうなるんだろう? それよりもっと困るのは、ここにいるのが本体で、家にはいなかったりすると、……俺んとこは好都合かもしれないけど」
 舞は動きが途中で止まってしまった。踏まれたことを想像したからじゃない。
「舞ちゃんは親が心配してるだろうなあ」
 親が心配してる。
「うちの、親、は」
 母の顔を思い出したら喉が詰まった。ホームシックなんかじゃない、その反対だ。
 帰りたくない。本当は。
「別に、心配なんか」
 違う。帰れない。
 あの家に、帰っていいのかどうか、判らない。
「してないと思います」
「喧嘩なんかしてるのか? 大事な娘なんだから、絶対してるさ」
「してません、大事じゃないので」
 ああ、駄目だ。
 こんなこと、今日会ったばっかりの人に言うことじゃない。祥一郎さんには関係ないんだから。
 舞の語気の荒さに、祥一郎の目つきも鋭くなってしまった。舞は座りなおして、ぶんぶん頭を振った。
「……すいません」
「いや」
 怒ったのだろうか、祥一郎は低い声で返事をすると、立ち上がった。
「行くか」
「え」
 行くって、どこへ。
 夢か現実かも判らない、何も知らずに来させられたこの世界。行く当てなんてどこにあるの?
「四人いないとまずいってことだけは判ってるんだから、俺たち二人ここでのんびりしてる訳には行かないだろ。俺は、舞と二人でボケッとしてんのも嫌じゃないけど」
 祥一郎は短い髪を掻き上げると、ずいっと手を差し出した。
 大きな手。
 ……ここしばらく、ちゃんと喋ったこともない、パパみたいな。
「でも芳真が、その、ナントカって偉い人を暗殺しようとした犯人だなんてのは、濡れ衣だろ? おれはあいつのこと知ってる訳じゃないけど、絶対違うと思うんだ。助けに行かないと」
「優しいんですね」
 厭味ではなく、舞の素直な感想だった。祥一郎は照れくさそうに、眉間に皺を寄せて笑った。
「どうかな、お節介なだけかもしれないぜ。俺も本当は、戻りたいかどうか判らないし……でも、とりあえず。行こう」
「はい」
 舞は左手で彼の手を取ると、よいしょと立ち上がった。
「おまえも行くだろ──あっ、こいつ」
 伸ばされた手をかしげがサッと避けたので、祥一郎はわざと追いかけて、怒って殴る真似をした。かしげは耳を倒して、バビューンと広場を横切り、外まで走って行ってしまう。
「完全に嫌われてる」
 手をつないだのは一瞬だった。
 舞はちょっとだけ残念に思いながら、彼らを追いかけた。
 広場の出口、いやひょっとするとこっちが入口で舞たちが反対から入っただけかもしれないが、森との境に立て札がある。舞からは裏側が見えているので内容はまだ判らない。
「怖がらせるからですよ。かしげから見たら、ただでさえ大きくて怖いんだから。小さくなればいいけど」
「!?」
 深い意味はなかった。ただ思いつきを言っただけで、本当に小さくなればいいと願った訳ではない。
 ない、のに。
「なっ、何だあ!?」
 祥一郎が叫んだ。
「しょっ、祥一郎さあんっ!!」
 舞の足元から。
 最初は彼が消えたのかと思った。突然姿が見えなくなったから。
 だが違う。草の中で、チラチラ動くものがある。縮んでいるのだ。十センチぐらいに。
「なっ、何だ? 俺はどーなったんだっ、教えてくれ!!」
「ち、小さくなっちゃった、と思うんだけど……」
「はあ!?」
 かしげが戻ってきて、自分の顔ぐらいの大きさしかない祥一郎の匂いを嗅ぐ。ついでにくわっと口を開けたので、彼はひぇっと情けない声を上げた。
「わわっ、かしげ、よしなさいっ」
 祥一郎さんが食べられるう。
 舞は焦って駆け寄ると、踏まないように、祥一郎をつまみ上げた。手のひらにすっぽり納まるサイズだ。
「あーあ、情けない姿になっちゃって……」
「なんでだ? なんで急にこんなことになったんだっ」
 わめかれたところで舞にも判らない。
 何持ってんの何持ってんの、とワクワクした顔でまとわりついてくるかしげを追いやりつつ、二・三歩森へと足を進めて、舞は何気なく看板を振り向いて見た。
「……あら」
 祥一郎も見たらしく、舞の手の上で呆然としている。
『願い事の広場
 どんな望みも叶えます
 ただしお一人様一回限り』
「俺を元の姿に戻してくれ!!」
 我に返った祥一郎が怒鳴ったが、何も起こらない。広場から出ているのがいけないのかと、ちょっと引き返してもう一度言ってみたが、やはり駄目だ。
「どうしてだ? なんで舞の、ぽろって言っちまった一言は叶って、俺の心からの願いは無視する?」
「多分」
 黙っていたのは呆然としていたのもあるが、考えていたからだ。
 舞は彼を見下ろして、慰めるように笑ってみせた。
「どうなったか教えてくれって祥一郎さんが言って、あたしが教えちゃったからじゃないかなあ」
「はああっ!?」
 祥一郎が地団駄を踏む。
「やだ、ゴソゴソしないで下さい、くすぐったいから。失くすと困るからポケットに入れときますね」
「俺は財布かっ」
 祥一郎は不満そうに吠えたが、舞は無視してシャツの胸ポケットに彼を入れた。
「これからどうしよう……」
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by new-chao | 2005-04-23 15:22 | 小説-黄金のドア(2)

黄金のドア

              ◇     ◇     ◇

 舞と祥一郎がドラゴンに追われたり、手のひらサイズになってしまったりしていることは露知らず、水都は謎の美青年アクセル・ヴァンスによって彼の居城へと案内されていた。
 捕らえられた芳真は思うところがあるのか、単に疲れたのか、おとなしくしており、先頭に立つ馬に乗せられた水都が馬上から振り返ってみても、様子を窺い知ることはできなかった。兵士たちも彼を縛り上げただけで、それ以上に乱暴なことはしていないようだ。
 森を抜け、草原を越え、乗ったこともない馬と、舗装されていない道に彼女の足腰が苦痛を訴えだした頃、小高い丘の上にレンガ造りの城が見えてきた。あまり大きくはない。
 塔は丸く太く、窓はアーチ型で、全体的に薄い茶色だがアクセントにアイボリーが使ってあり、可愛い感じの城だ。水都はまだ行ったことはないが、イギリスの民家みたいな感じだな、と彼女は思った。
 黒塗りの門の前には、アクセルと同じく銀の鎧に兜を被った番兵が二人、仰々しく槍をクロスさせている。門についている飾りは城の紋章だろうか。
 獅子とかなら判るが……この柄は何だろう? 角と翼の生えた……コブラみたいに見えるが。変わってるな。
 水都が首をひねっている間に、番兵たちは主人の帰還に門を開き、敬礼している。短い玉砂利の道を通ると、馬の係らしい金髪の若者が近づいてきて、アクセルから手綱を受け取った。
「お帰りなさいませ」
「ああ」
 アクセルは新緑のマントを外して若者に渡すと、長いブルネットの髪をひるがえして馬から降りた。水都に手を差し延べる。
「降りろ」
 彼が知らない人間を連れて帰るのは別に珍しくないのか、番兵も馬係も後ろの兵士たちも、特に感想はないらしい。一瞬だけ不思議そうな顔で水都を見たものの、何も言わずに仕事に戻った。
 今の不思議そうな顔は、私を男か女かどっちなのか、判別に迷ったからだな。それとも、黒い髪が珍しいのか。
 水都は素直にアクセルの手に片手を預けると、身軽に馬から降りた。後ろに続く男たちも馬から降りると、後ろ手に縛り上げた芳真を担ぎ、どこかへと引っ立てて行く。
「おまえはこっちだ」
 アクセルは水都の片手を取ったまま、城の中へ歩き出そうとする。
「芳真をどこへ?」
「ヨシマというのか、あの男は」
 アクセルはちらりと兵士たちの行った方を見やった。
 並んで立ってみると、彼は外人にしてはそれほど飛び抜けて背が高くはなく、百七十八センチぐらいだが、その代わりにスラリと足が長かった。
 白い細身のパンツに包まれた、キュッと締まった小さな尻、広い肩。左の手首に幅の広い、金の腕輪をはめている。完璧な横顔は、『王子様』と呼ばれるために作られたもののようだ。
「あいつは、おまえの知り合いなのか?」
 水都はまっすぐ彼を見返しただけで、何も言わなかった。
 アクセルは苦笑し、それ以上は追求せず、水都の手を引いて芳真とは反対の方へ歩きだした。途中で会ったメイドらしい女に何事か言いつけ、中庭へと向かう。
 メイドがちらりと自分を振り返るのが視界の隅に入って、水都は少し笑ってしまった。
「おかしいな、おまえは花も恥じらうほど美しいのに、どうして皆、服装だけでおまえを男だと思ったりするんだろう」
 広くはないが、きれいな中庭だ。
 短く刈り込まれた芝生の中に白木のベンチが置かれていて、中央には花に囲まれた大理石風の噴水がある。
「私はそれを狙ってやってるんだから、間違えてもらって本望だ」
「そうか」
 アクセルがおもしろそうに笑った時、どの部屋からか、ティンホイッスルとアコースティックギターのような音が聞こえてきた。太鼓の音も加わり、どことなくアイルランド風の陽気な音楽になる。
「この城のバンドだ。もうすぐこの国で一番の大祭があるから、このところ熱心に練習しているんだ。上手いだろう?」
「そうだな」
「音楽は好きか?」
「踊ってくれ、なんて言われない限りはね」
 ふっ、とアクセルはとうとう声に出して笑った。
 降り注ぐ陽の光、それを跳ね返す噴水の飛沫、明るくて懐かしい感じの音楽、すべてがこの場にはとても合っている。向き合って笑っている二人も、傍目には和やかでいいムードだろう。
 だが二人の視線には、二人にしか判らない剣呑な光があった。
 アクセルが先に切り込んだ。
「おまえはどこから来た」
 水都はそれを弾き返した。
「ここはどこだ?」
 まだ手はつながっている。アクセルは握る手に力を込めたが、水都は声を上げなかった。骨が折れる直前に彼は手を離した。
「ここは、ダーク・サン。ダーカスと呼ぶ奴もいる、小さな国だ。俺はこの国を支配する五人の総統の一人の息子で、父が引退した暁には総統になることが決まっている。おまえを、妻とするために連れて来た」
 妻?
 いつでも冷静な表情を崩さずにいられる水都も、この一言にはさすがに驚いた。
 ダーカスなどという国名は聞いたこともないが、それ以上に、いずれは国を治めることになる若君が、どこの誰かも判らない女を、妻とするために森の中で拾うとは。
 一体、どういうところなんだ、ここは。
「おまえはどこから来たんだ?」
「芳真をどうするんだ?」
 言葉が重なった。
 彼より先に水都は口を開いた。
「芳真に会わせて欲しい」
 アクセルの手が、水都の細い首に伸びる。滑らかな喉を手のひらで覆って、彼は低い声で訊いた。
「あいつはおまえの男か」
「違う」
 喉から胸へと手が滑って、コートの上からは目立たないが、確かにある女の証拠を確認する。水都は動かない。
「……いいだろう。あの男は地下牢に入れた。案内させよう。ここで待て」
 アクセルは大股で中庭を横切り、城内へ入ろうとする。ふと立ち止まり、彼女を振り返った。
「おまえの名前をまだ聞いてなかったな」
 風が吹いて前髪を揺らし、水都は目を細めた。アクセルには笑ったように見えたかもしれない。
「水の都で水都だ」
「おまえには似合いだ。……すぐに人を来させる」
 アクセルが城内に消えると、水都はホッと一つ溜め息をついた。知らず、緊張していたようだった。                                           (3)へ続く
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by new-chao | 2005-04-23 15:20 | 小説-黄金のドア(2)